夜の仕込みと、朝の器
夜、少し早めに家のことを終えたあと、明日の朝のことを考えてヨーグルトの仕込みを始める。明るいうちに準備しておくと、朝がすこし軽くなる気がしている。 ヨーグルトメーカーは、いつもの場所に置いてある。見た目も静かで、出しっぱ…
夜、少し早めに家のことを終えたあと、明日の朝のことを考えてヨーグルトの仕込みを始める。明るいうちに準備しておくと、朝がすこし軽くなる気がしている。 ヨーグルトメーカーは、いつもの場所に置いてある。見た目も静かで、出しっぱ…
朝、窓を開けると空気が少しやわらかくなっていた。ひんやりとした感じはもう薄くなって、かわりにじんわりと湿気を含んだ匂いが混じっている。季節がゆっくりと変わっていくのがわかる。 今日は昼にかけて気温が上がるという予報だった…
朝から少し蒸し暑くて、なんとなく今日は火を使いたくない気分だった。だから、昼の前に仕込みを済ませておくことにした。冷蔵庫に何かあるだけで、夜がぐっと楽になる。 キッチンに立って、まずは冷蔵庫を開ける。昨日、帰りがけに立ち…
気温はそれほど高くないのに、じんわりと湿気がまとわりつく。晴れているのに、空気の輪郭がぼやけていて、肌にも空気にも、どこかしら梅雨の気配が混じっているような午前中。 台所に立つには、少し気が重かった。火を使うと、余計に部…
前の晩は、少し遅くまで本を読んでいた。夜が深まるにつれて部屋は静まり返り、その静けさのまま眠りについたような朝だった。 窓の外では、風がやわらかくカーテンを揺らしている。空はうっすらと曇りがちで、光は強くない。けれど、ど…
朝のうちはまだ風が涼しかったけれど、昼前になると空気がすこしぬるんできた。日差しがやわらかくて、季節が一歩ずつ夏に向かっているのがわかる。湿気はまだ少なく、風が通るたびに葉の影が地面にゆれていた。 今日は外でごはんを食べ…
朝は、何かが決まっていなくてもいい時間だと思う。どこかに急ぐ予定もなく、家の中の光だけで時間の流れを感じるような朝。カーテンを少しだけ開けて、窓際の空気を確かめる。そんな日には、あわてて食べる必要のない朝ごはんを、静かに…
目が覚めたのは、いつもより少し早い時間だった。窓の外は明るくなりはじめていて、カーテンの隙間からやわらかい光が差し込んでいる。天気はよさそうだった。音もなく、空気が静かで、今日という日がまだ始まっていないような感覚があっ…
目が覚めたのは、思っていたよりも早い時間だった。窓の外はまだ明るくなく、空はくすんだグレー。雨ではないけれど、どこかしっとりとした空気が漂っている。 もう一度寝てもよかったけれど、目覚めてすぐの気分が悪くなかったから、そ…
朝から降っていた雨は、午後になっても止む気配がなかった。強く降るわけではないけれど、途切れずに静かに続く雨音が、部屋の空気を包んでいる。梅雨らしい日。窓の外に広がるのは、どこまでも湿り気を含んだ白い景色だった。 こういう…