風の音に耳を澄ませる
風が通るたび、窓辺の風鈴が小さく鳴る。その音は決して強くはない。けれど、耳を澄ませば、確かに空間に響いているのがわかる。 まだ朝の早い時間。窓を少しだけ開けて、ゆっくりと空気を入れ替える。部屋の奥にまで風が届くように、静…
風が通るたび、窓辺の風鈴が小さく鳴る。その音は決して強くはない。けれど、耳を澄ませば、確かに空間に響いているのがわかる。 まだ朝の早い時間。窓を少しだけ開けて、ゆっくりと空気を入れ替える。部屋の奥にまで風が届くように、静…
朝のうちは曇っていた空が、昼近くになって少し明るさを取り戻してきた。雲の切れ間から淡い光が差し込み、部屋の中にやわらかな影ができている。静かな昼前。今日は特に予定もなく、ゆっくり家で過ごせる日だった。 ふと、甘いものが食…
用事が長引いて、家に帰ったころにはもうすっかり夜になっていた。外はまだ少し雨が残っていて、路面が濡れている。疲れがたまった日ほど、不思議と家に帰ってからの静かな時間が待ち遠しくなる。 着替えを済ませて、軽めの夜食をとった…
午前中から、風がやわらかかった。梅雨明けにはまだ早いけれど、どこか夏の気配が混ざっている。窓を少しだけ開けると、湿った空気の中に草の匂いがまじっていた。 部屋の中はまだ少し薄暗くて、扇風機がやさしく回っている。音楽もテレ…
朝の空はうっすらと曇っていたけれど、昼に向けて少しずつ明るくなってきた。今日は静かに過ごせそうな日だった。 家にこもるのも悪くないけれど、ふと思い立った。お弁当を作って、行ったことのない公園に行ってみようか。近くに気にな…
朝、少し早めに目が覚めた。窓の外はまだ柔らかな光で、カーテン越しに淡い青が広がっている。 今日はゆっくりと朝ごはんを作ることにした。特別なきっかけがあったわけではないけれど、静かな空気に誘われたような気がした。 キッチン…
午前中はすこし晴れていたけれど、昼過ぎから空がぼんやりしてきた。日差しは強くないのに、空気の中に湿気が混じっている。窓を開けていると、風が入ってくるたびにカーテンがふわりと揺れる。初夏の午後。なんとなく、体を動かしたくな…
今日は、朝から少しだけ体が重たかった。疲れているわけでもなく、気分が沈んでいるわけでもない。でも何かが過不足なく蓄積していて、どこかで整えたくなるような感覚があった。 そんな日には、外に出るよりも、部屋の中で何かをする方…
一日の中で、いちばん空気がやわらかくなるのは夕方かもしれない。西日が部屋の隅に差し込みはじめると、いつのまにか心がゆっくりとほどけている。今日の終わりを意識しながらも、まだ少しだけ余白があるようなこの時間帯が、昔からずっ…
昼ごはんを食べ終わって、少しのんびりしていた。外は曇っていて、明るすぎず暗すぎず、静かな空気が部屋に漂っていた。今日は特に予定もなく、家の中でゆっくり過ごすつもりだった。 何をするわけでもないけれど、こういう日の午後は好…