静かな目覚めの時間
朝の空気が少しひんやりしていた。 寝具の中にいるときはわからなかったけれど、足を床につけた瞬間、 わずかに冷たさが残っていて、目が覚めるというより、 すっと起き上がるほうが自然な感じがした。 カーテンの隙間から、淡い光が…
朝の空気が少しひんやりしていた。 寝具の中にいるときはわからなかったけれど、足を床につけた瞬間、 わずかに冷たさが残っていて、目が覚めるというより、 すっと起き上がるほうが自然な感じがした。 カーテンの隙間から、淡い光が…
夕方、台所の窓から差し込む光が、 少しだけやわらかくなっていた。 カーテンも揺れず、部屋の空気は穏やかで、 その時間を静かに受け入れていた。 昼に炊いたご飯の残りを温める。 湯気がふわっと立ち上がり、 茶碗に移すと、手の…
午後の終わりが近づくにつれて、部屋の中の光の色が、すこしずつ柔らかく変わっていった。窓の外の空は、まだ明るさを残しているのに、カーテンの隙間から差し込む光は、壁や棚の角をなぞるように、色を淡くしていた。 昼間は少し暑かっ…
昼を少し過ぎたころ、部屋の中に風が通った。大きく窓を開けたわけではなかったのに、どこか遠くの空気が、ゆっくりと移動してきたような、そんな静かな動きだった。 こういう日は、なにか特別なことをしようとは思わない。むしろ、日常…
窓のカーテンを少しだけ開けて、西の光が斜めに差し込むのをそのままにしていた。まだ照明をつけるほどではないけれど、部屋の中の明るさは、静かに変わりはじめている。 今日はいつもより少し早く帰ってきた。まだ一日の終わりという感…
夕方になると、窓から差し込む光がすこしずつ傾いてきて、部屋の奥の空気までやわらかくなるように思う。 冷蔵庫の中をのぞいて、すこし考えてから、今日は簡単に、炒めものをつくることにした。 小松菜と人参、それからピーマンとしめ…
静かな朝だった。部屋の隅にまだ夜の影が残っていて、カーテン越しの光が、ゆっくりと輪郭を浮かび上がらせていく。少し冷えた空気の中で、台所に立つ。 湯を沸かす音が響く間に、冷凍していたごはんを温め、小さな鍋に出汁を注ぐ。豆腐…
朝の空気が、まだきちんと冷たい。窓の外はうっすらと明るくなってきて、壁の白さも少しずつ色を取り戻していた。 パンを焼こうと思った。それと、目玉焼きをひとつと、コーヒーを淹れるだけの簡単な朝ごはん。 準備の前に、まず湯を沸…
はじめまして。 この場所を訪れてくださって、ありがとうございます。 ここは、「しずかな暮らしのものえらび」という名前の小さな場所です。 日々の暮らしのなかで感じたことや、考えていること。 言葉にして残しておきたくなった静…
音が少ない時間が、好きです。朝、まだ誰も起きていない部屋でお湯を沸かすときの、ほとんど気配だけのような時間。窓を開けた瞬間の冷たい空気や、鳥の声、遠くの車の音。そんなものに包まれているとき、自分が自然と呼吸できているのを…