朝、窓を開けたら、空気がやわらかかった。
まだ日差しは強くないけれど、少し湿り気を含んでいて、
季節が少しずつ進んでいるのが感じられる。
こんな日は、何か冷たいものが飲みたくなる。
コーヒーやお茶もいいけれど、
ふと、フルーツジュースを作ろうと思った。
最近は果物売り場がにぎやかで、
いちごやキウイ、オレンジなどが並んでいる。
買ってきたばかりの果物がいくつか冷蔵庫にあった。
今日は、いちごとオレンジ、それに少しだけバナナを合わせてみよう。
特別なレシピはない。
そのときにあるものを使って、
その日の気分で作るのがいい。
キッチンで果物を取り出す。
いちごは洗って、ヘタを取る。
オレンジは皮をむいて、適当な大きさに切る。
バナナは半分だけ使うことにした。
果物を切るときの音や香りが、
すでに気分を整えてくれる。
キッチンにふわっと甘い香りが広がって、
それだけでもう楽しい気持ちになる。
果物の準備ができたら、ミキサーを取り出す。
シンプルな作りで、重すぎず扱いやすい。
音もうるさすぎず、
朝の静かな時間でも気兼ねなく使えるのが気に入っている。
ピッチャー部分に果物を入れていく。
赤、黄色、オレンジ。
重なった色がガラス越しにきれいに見える。
ほんの少しだけ水を加えて、
今日は氷は入れずにそのまま作ってみることにした。
スイッチを入れると、
やわらかな音が響く。
果物が混ざり合っていく様子を見るのも、
この時間の楽しみのひとつだ。
数十秒ほど回して、
とろりとしたジュースが出来上がった。
グラスに注ぐと、
鮮やかな色が目にうれしい。
いちごの赤がほんのり残って、
オレンジとバナナがやわらかい色合いを作っている。
テーブルに持っていって、ゆっくり座る。
朝の光がカーテン越しに入ってきて、
静かな時間が流れている。
ひと口飲んでみる。
甘さと酸味がちょうどよくて、
体がすっと整う感じがする。
こういう時間があると、
一日のはじまりが少しだけ豊かになる。
特別なことではないけれど、
自分で用意して、自分のペースで楽しむ。
それだけで十分だ。
飲み終わったあと、
次はどんな組み合わせを試そうかと考えていた。
季節が変われば、
また違う果物が並ぶだろう。
そうやって、暮らしの中に
小さな楽しみがひとつ増えていく。
それがうれしい。
▼ しずかな暮らしに馴染むもの
ミキサー
果物や野菜を静かに混ぜて、
その日の一杯を作ってくれる道具。
暮らしの中に、やわらかな楽しみが増えていきます。

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