朝、窓を開けると、思ったよりも空が澄んでいた。
昨日まで曇りがちだったけれど、今日は青がしっかり見えている。
風も穏やかで、日差しも柔らかい。
ふと、海を見に行きたくなった。
せっかくなら、静かな場所でコーヒーでも飲んでこよう。
普段なら電車に乗るところだけれど、
今日は原付で行ってみることにした。
天気のいい日は、風を感じながら走るのも悪くない。
原付にも少しずつ慣れてきた。
ちょっと遠出する時にも、道具を選べば案外快適だ。
リュックを取り出して、荷物を詰める。
コーヒーは朝のうちに淹れてポットに入れておいた。
あとはマグカップと小さな布。
そして今日は キャンプ用の折りたたみ椅子 を持っていくことにした。
この椅子は軽くて、小さくたためる。
キャンプ用として買ったものだけれど、
こういう日帰りのちょっとした外出にもよく使っている。
リュックの脇にすっと収まるサイズ感がありがたい。
こういう道具があるだけで、出かけるハードルが少し下がる。
バイクの準備をして、家を出る。
まだ午前中の早い時間で、道路は空いていた。
エンジンをかけて、静かに走り出す。
風が思ったよりも冷たくない。
むしろちょうどいいくらいだ。
道沿いの木々の緑が、初夏らしい色をしている。
いつもの生活圏を離れていく感覚が心地よい。
途中で海に向かう道に入ると、
空がさらに広く見えてきた。
海の近くに来ると、空の青さが少し変わる。
どこか澄んでいて、軽やかな感じがする。
目的地は以前に何度か来たことのある海辺。
観光地というほどではなく、
少し外れたところにある静かな浜辺だ。
天気のいい日は人もちらほらいるけれど、
昼を少し外せば、静かに過ごせることが多い。
バイクを止めて、リュックを背負い、歩き出す。
浜辺までの小道は草の匂いが濃い。
波の音がかすかに聞こえてきて、
それに引かれるように歩みが自然と早くなる。
浜辺に出ると、思った通り人はほとんどいなかった。
広い空と水平線。
静かに寄せては返す波の音が、遠くまで響いている。
波打ち際から少し離れた場所に腰を下ろそうと決める。
今日は椅子を持ってきているから、
地面に直接座らずに済むのが嬉しい。
リュックから キャンプ用の折りたたみ椅子 を取り出す。
展開するのは簡単で、あっという間に座れる状態になる。
こういう道具は、手間がないほど気持ちよく使える。
椅子に腰を下ろして、ひと息。
目の前には波のゆるやかな動きが続いている。
空も海も、見ているだけで気持ちが整っていく。
リュックからポットとマグカップを取り出す。
ポットの蓋を開けると、コーヒーの香りがふわりと立ちのぼった。
こういう瞬間がたまらない。
マグに静かに注いで、両手で持つ。
風がやわらかく吹いていて、ちょうどいい。
波音と風の音だけが耳に届いてくる。
ひと口飲むと、コーヒーの温かさが体の中に広がる。
外で飲むコーヒーは、どうしてこうも美味しく感じるのだろう。
味そのものだけじゃなく、
場所や空気、時間の流れが一緒に入ってくるからかもしれない。
しばらく何もせずに過ごす。
コーヒーを飲みながら、ただ海を眺める。
波のリズムが心地よくて、
時間がゆっくりと流れていくのがわかる。
ふと思う。
今日はこうして昼間に来ただけだけれど、
今度は泊まりで来てみるのもいいかもしれない。
夜の海はどんな表情を見せるのだろう。
焚き火をして、星を見ながら過ごす夜もきっと静かでいい。
最近はキャンプ用の道具も少しずつ揃えてきた。
こういう場所に、今度はテントや焚き火台を持ってきてみようか。
荷物の積み方も工夫すれば、原付でも十分行ける気がする。
バイク用の積載用品もそろそろ見ておこうか。
そんな考えが自然に浮かんでくる。
コーヒーを飲み終わって、
椅子を片づける。
軽いし、たたむのもすぐに終わる。
こういう手軽さが、
また次も持って行こうと思わせてくれる。
帰り道は、少しだけ違うルートを選んだ。
風の匂いが昼前とは変わっている。
太陽の高さも、空の色も少しだけ柔らかくなっていた。
またこの椅子を持って、
今度はもっと静かな場所にも行ってみたい。
そんなふうに思いながら、
バイクのスロットルを軽く回した。
▼ しずかな暮らしに馴染むもの
キャンプ用の折りたたみローチェア
軽くて小さくたためて、
出かけた先でも静かに座れる椅子。
こういうひと道具があると、
外で過ごす時間が少しやわらかくなります。

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