音を吸いこむ台所
六月の、曇りがちな朝だった。 雨が降りそうで降らない。空は鈍い白に覆われていて、光の輪郭がぼやけている。部屋の中には、冷たいような湿ったような空気が少し残っていて、気持ちがどこか落ち着かない。 けれど、今日は一日家にいる…
六月の、曇りがちな朝だった。 雨が降りそうで降らない。空は鈍い白に覆われていて、光の輪郭がぼやけている。部屋の中には、冷たいような湿ったような空気が少し残っていて、気持ちがどこか落ち着かない。 けれど、今日は一日家にいる…
昼前、台所の窓からやわらかな光が入っていた。曇り空ではあるけれど、雨は降っておらず、ひんやりとした空気が心地いい。 今日は家で過ごすと決めていた。買い物にも行かず、静かな時間を味わう日。ふと、何か甘いものが食べたくなった…
6月の半ば。昼間はすっかり暑くなる季節だけれど、朝はまだひんやりとした空気が残っている。梅雨入り前の晴れ間で、空はよく晴れていた。 今日は原付で少し遠回りして走ってみようと思っていた。朝のうちは空気が澄んでいて、静かな道…
朝のうちは曇っていた空が、昼近くになって少し明るさを取り戻してきた。雲の切れ間から淡い光が差し込み、部屋の中にやわらかな影ができている。静かな昼前。今日は特に予定もなく、ゆっくり家で過ごせる日だった。 ふと、甘いものが食…
午前中の、まだ少しひんやりとした空気のなか。 今日は外で甘いものを焼いてみようと思っていた。そんなに大げさなものではない。バナナとリンゴ、それからフレンチトースト。 ほんの少し材料を持って、静かな場所に出かける。それだけ…
用事が長引いて、家に帰ったころにはもうすっかり夜になっていた。外はまだ少し雨が残っていて、路面が濡れている。疲れがたまった日ほど、不思議と家に帰ってからの静かな時間が待ち遠しくなる。 着替えを済ませて、軽めの夜食をとった…
昼前の少し曇った空の下。今日は外でスープパスタを作って食べようと思っていた。 外で料理をするといっても、大がかりなものではなく、ほんの少し道具を持って出かけるだけ。静かな場所で湯気の立つパスタを食べる。それだけで十分だっ…
日が落ちて、部屋の中がしんと静まるころ。カーテンを閉め、食事の片づけも終えて、ひと息ついた夜だった。 少し甘いものが食べたい気分で、でもお菓子というより、焼きたてのパンがいいなと思った。そうだ、明日の朝に合わせて、ホーム…
昼の少し前。外は薄曇りで、風がやわらかかった。 今日は、少し外でごはんを食べてこようと思っていた。大げさな準備はせず、ただ焼きおにぎりと野菜スープを作って食べるだけ。そんな静かな外の昼も悪くない。 まずはごはんを炊いて、…
朝方まで降っていた雨が、昼前には止んだ。窓の外にはまだ湿った空気が漂っていて、雲の切れ間から、ときおり薄い光が差し込んでいる。庭先の草木はしっとりと濡れていて、葉の先には水滴がきらりと光っていた。 静かな昼だった。今日は…